「……英語、わかんねーから。教えてもらおうと思ったんだけどよ。今日にかぎって来ねーんだアイツ」
“アイツ”って……右京さんだよね、たぶん。
うん、とあたしは先を促すようにうなずく。
「で……アイツの教室わざわざ行ったんだけど、アイツ女と楽しそーに話してて……なんか、イラついて帰ってきた」
その場面を思い出すみたいに目をふせながら翼が舌打ちを響かせた。
眉間にシワよせて頭を爪でかく。
ほんとにイライラしてるなぁ。
ていうか……あれ……。
それは、もしかしてのもしかしてで……?
「――嫉妬ちゃうんの? それ」


