あ…いや、ダメだ。
あたしは立ち止まる。
「どうした?沙羅ぁ?」
突然立ち止まったあたしを不思議そうに見つめる芽依。
もしかしたら…芽依もそうかもしれない。
「ね…芽依ってさ…」
次の言葉は言いづらくてなかなか出てこなかった。
そうすると表情で何かを察したのか芽依は笑い出した。
「沙羅。
うちがヤツ等と同じように見える?」
そう言った芽依は10メートル先で晴弥に群がっている女の子たちを見る。
「うち、残念だけど金持ちにも、イケメンにも興味ないんだ。
昨日、沙羅に群がった女子はみんな、遊馬晴弥目当てかもしれない。
でもうちが沙羅に近づいたのは沙羅自身と仲良くなりたかったからだよ?」
芽依はニコッと屈託のない笑顔で笑う。
その笑顔はとても、ウソをついているようには見えなかった。
「ごめん。そうだよね」
実は昨日、あたしに声をかけてくる子がたくさんいた。
みんな、あたしに優しくしてくれた。
そして終いには
「友達だよね、私たち」
と、言って行く。
なんだかおかしい気はしてたんだ。
で、授業が終わったあと、ジュウゴが小声で教えてくれた。
『アイツら全員、晴弥のファンクラブに入ってんだぞ』
って。
それであたしは気づいたんだ。
あの子たちはみんな、あたし目当てじゃなく、晴弥が目当てなんだ、って。


