「……瑞季さんってば…」
晴弥と仲直りするための勇気って…
なんて優しい人なんだろう。
『おはようございます。』
昨日と同じ場所。
昨日と同じ森本。
でも今日のあたしは昨日のあたしとは違うワケで。
「助手席…乗ってもいい?」
『どうぞ』
森本はとくに不思議そうにする様子もなく、助手席のドアを開けた。
乗るとき一瞬だけ、晴弥と目が合う。
でもあたしはすぐに逸らす。
サイドミラーに映る晴弥はずっと、音楽を聴きながら外を眺めていた。
あたしは車の中で瑞季さんが作ってくれたサンドウィッチを食べていた。
ね…瑞季さん。
瑞季さんの愛情と勇気がつまった朝食を食べても、
晴弥に喋りかける勇気も、
ましてや仲直りする勇気も出てこないんです。
晴弥…怒ってる。
表情が冷たすぎるんだ。
いや…でも昨日のは晴弥が悪いんだ。
そもそもあんなヤツと仲直りなんてしたくもない。
ごめんなさい…瑞季さん。
あたし、瑞季さんの期待に答えることができそうもありません。


