偽装婚約~秘密の契約~






「なんで!

晴弥の邪魔は絶対にしない!」



晴弥は掴んでいた腕を離し、立ち上がる。




『俺は向こうに遊びに行くワケじゃないんだ。

父さんの手伝い…と、いうか研修だ。


それともう1つ。

大学は向こうの大学に通うからそれの下見でもある。


だから観光気分の沙羅を連れ行くワケにはいかない』


最後の言葉より、気になったことが1つ、ある。



「大学…アメリカへ行くの?」


『………関係ないだろ、沙羅には』



確かに、関係ないよ。

だって晴弥が大学行くころには


契約も終わって、

ここにあたしはいないんだから。


でも、

だからってそんな言い方…しなくても良くない?



「もういい!

勝手にどこにでも行けば?!


この冷血晴弥…っ!!!!」