偽装婚約~秘密の契約~






その日の夜中。

ちょうど日付が変わろうとしていた頃。


あたしは鞄の中に荷物を詰めていた。


今度は夜中に家を飛び出したりはしない。

だって止めてくれる人がここにはいないんだから。


だから堂々と朝、出て行こうと思う。

要に


「ばいばい。

もう会うこともないんだろうね。


ありがとう」

そう伝えて、ここを出て行くことに決めていた。



荷物を詰め終え寝ようかとベットに入ったとき、ドンッと物音がした。


今の…なんの音?

そう思って部屋を出ようと思ったがでも


「…………ふわぁぁああぁ」


特大の欠伸が出てやめた。


眠い。眠いんだよ、あたしは。

そんなことを心の中で呟き、布団を被る。


するとまた



【ドンッ】

と大きな物音がして。


何を言っているかは分からないが怒鳴っているような声が聞こえる。



「はぁ…」

どうやらこれは覗きにいくしかないみたいだ。


じゃないとウカウカ安心して眠ることもできない。