偽装婚約~秘密の契約~






『やはり、家出の原因は晴弥様とあずさ様ですか?

違うっておっしゃっても無駄ですよ。


それ以外、考えられませんから。』


あたしは何も言っていないのに瑞季さんは1人で喋り続ける。




『そんなに、遊馬家はイヤでしたか?

置き手紙だけを残して家出をしたくなるほどに、遊馬家は居心地が悪かったですか?


それとも、私のおもてなしが…「瑞季さん」


思わず、言葉を遮った。



「どうしたんですか?

いつも何があっても冷静でいるのに、何を取り乱しているんですか?


今日の瑞季さんは…ヘンです。」


チラッと瑞季さんを見ると動きが全て停止していた。



「あ、あの…瑞季さん?」

声をかけるとはっとしたような顔になる瑞季さん。



『無様な姿を見せてしまい、申し訳ございません。

ホントですよね。


何…取り乱してるんですかね』


瑞季さんはふっと悲しそうに笑う。



こんな瑞季さん、見たくなかった。

でもきっと、瑞季さんがこうなったのはあたしのせいだ。



あたしが、心配かけたから。

あたしが、勝手にいなくなったから。


何やってんのよ…ホントに。

つくづくなんて愚かな女なんだろう、あたしってば。