『はぁ…

何考えてるんだか、さっぱり分かんねぇ…』


いったん、自分たちの部屋へ戻ろうということになって晴弥とリビングのソファに座る。

もちろん、ここにお母さんの姿はない。


あくまでもここは、あたしと晴弥のリビングだから。



「ねぇ…どういうこと?

なんで突然、婚約披露パティー?」


『来週、晴弥様は誕生日を迎えられます。』


あたしの声に反応したのは晴弥ではなく、瑞季さんだ。



『遊馬家では18歳の誕生日。

婚約披露パティーをやるのが決まりとなっております。


ですが、今回はちょうど旦那様のお仕事が海外で入っていたので婚約披露パティーは延期かと思っていたのですが…

まさか、帰って来られるとは…


準備も何も、できていないのに』


珍しく、瑞季さんが困っている。

よほど、大事なんだろう。


あの、瑞季さんを困らせるほどなんだから。



『沙羅。

とりあえずこの婚約が偽装であることを母さんだけには知られるな。


何がなんでも隠し通せ。

俺は…父さんと相談してくる』


晴弥はそう言って部屋を出て行った。


ってか。

あたし、婚約披露があるっていうのは森本から1番最初に聞いてたけどさ。


なんでそれがパティーなワケ?

だいたい、婚約披露って何よ?


結婚したならまだしも、ただの結婚する約束をしただけだよ?

なんでそれだけでパティー開いちゃうの?


これだからお金持ちは分からないんだ。