『沙羅様。
あれは晴弥様の最大級の誉め言葉なんですよ』
え?と聞き返す瑞季さんは悪戯っ子のように笑っていて。
『晴弥様はとてつもなく、不器用な方でいらっしゃいますので。』
そんなこと言われても…
誉められてる気がしないし。
『沙羅。行くぞ』
瑞季さんは玄関のほうへ行ってしまい、晴弥と2人きり。
「あ…うん。」
慌ててあとを追いかける。
『いいか?
1時間でいい。
1時間とりあえず、全力でいい子を演じろ。
できるか?』
1時間。
「……分かった。
頑張る。」
1時間ならきっと、なんとかなる…はずだ。
『俺が何を言っても動揺するな。
で、俺に合わせて話をしろ。
あとは黙ってても多分…大丈夫だから』
ってか…さっきからずっと気になってたんだけど…
なんで全部、命令口調なワケ?


