なるほど。しかし、そうは言っても

「あとあれや。こないだのヘリョンの失態や。あれはあかんでぇ。」

……。

「テレビ東京の番組出とってん。んで地デジのPRの為に、CM前に必ず出演者が『テレビ東京系列は地上デジタル7チャンネル!』言うねんな。ほんですぐCM入んねんけど、ヘリョン、『7チャンネル!』言いながらダブルピースしよってん。何の気なしに。ただこれ、どう考えても4。どう頑張っても4。ここで4は絶対あかんやろ!」

宇部次男。こうは言いたくないが、めんどくさい男である。会社の同僚からは、陰で『うけ すぎお』もしくは単に『すぎお』などと呼ばれている。これは芸人の影響を受けすぎている彼を揶揄して、同僚の一人である『アメフラシ』が付けたあだ名である。(命名した本人もあだ名を付けられているあたり、この会社のしょうもなさが如実に伝わってくる…。) しかし、宇部をかばうわけではないが、誰しも少なからず芸人の影響を受けているのだ。例えば、レタスを『レタス的なもの』と言ってみたり。グラサンを『グラサン的なもの』と呼んでみたり。よくよく考えれば『レタス的な物』はキャベツだし、『グラサン的な者』はタモリだ。にもかかわらず、今ではそれらの言葉を皆普通に使っている。そう考えると宇部、いや、だからといって宇部、あんたはやりすぎだ。