此奴、なんか鼻につく。
『冷やし中華はじめました』宣言はするくせに『冷やし中華やめました』宣言をしないのはおかしい。
といった類の『ゆるせない話』風小話をことあるごとに挟み込んでくる。話の流れを無視してグイグイ入れ込んでくる。

「どの店も9月半ばぐらいになると、何も言わずにしれ~っとフェードアウトすんねん!一か八か店入ってメニュー見ると、決まって細長いテープ貼ってあんねん!」

東京生まれ東京育ちだというのに、この有り様である。「おかん関西人やから。」などと嘘をついてまで関西弁を使いたがる。その意味が分からない。嘘をつくにしても、なぜブラジル人である母親を敢えてチョイスするのか。父親ならバレずにすむというのに。『次男』という名の意味も分からない。長男だというのに。

「新幹線の肘掛けっておかしない?」

始まった…。まぁいい。少しの辛抱だ。

「あれ、どう考えても一個少ないやろ。二人で一つやで。そんなもん、どうしたってややこしい事になるやん!あそこの所有権は通路側の人間にあると思うねん俺は。だって窓側にはもう一箇所、絶好のポイントがあるやんか。だから窓側の人間はそっちを使ったらええねん。でもたまにおんねん。右手だけじゃなくて左手まで休ませてるボンクラが。どっちかにしろや!ほんで挙げ句の果てには、リクライニングの角度利用して(枕代わりにして)寝たりすんねん。贅沢独り占めにしよんねん。どういう事やねん!」


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