東京都豊島区在住。通称『しゃもじのおっさん』。
いわゆる街の名物おじさんである。
「彼ったら自転車にまたがって一日中町内をブラブラ。カゴの中には大小様々なしゃもじが、これでもかってくらい詰め込まれてるの。にもかかわらず『見せもんじゃねぇ』っていうメッセージTシャツを着ているのよ。まったく奇天烈な男よね。」
彼をよく知る、スナック『ザクロ』のママはそう嘲ると、私の顔を撫で回し「そんな事より、今晩どう?」と、上目づかいに誘惑してきた。正直なところ、熟女は嫌いではない。身を委ねる事にした。
「面白い話があるのよ。浜夫さんが持ってるしゃもじはね、どれも漆塗りの物なの。って言ってもモノホンは高くて買えないから、市販の物に自ら山で採ってきた漆を塗るんだけど。そのせいであの人、年がら年中かぶれてるわ。一度ね、浜夫さんの甥にあたる坊ちゃんのチンチンがかぶれた事があるの。漆なんか触った事もないのに。だからすぐにイタズラがバレちゃったってわけ(笑)噂はすぐに親戚中に広まって、今じゃあの人、『しゃぶりのおっさん』呼ばわれよ(笑)」
話に夢中になっていた私は、気が付くといつの間にか丸裸にされていた。そしてその後、彼女はさながら発情期の動物のように、物凄い勢いで一晩中求め続けた。悪くなかった。しかしここだけの話、見て見ぬふりをしたのだが、明らかに、明らかに彼女もかぶれていたのである。
明くる日、私の体のあちこち(主に下半身)が、とてつもない痒みに襲われたのは言うまでもなかろう。