本当は気づいてたんだよ
橋本が私の手を握ってること。でもなにも言わないよ。だって言ったら
橋本は、離すかもしれないし。ずっとこうしていたい。
気が付けば私達は海に来ていた。
橋本がバスで案内してくれたんだ。
『うわ~!!綺麗だ!』そこにはオレンジに染まった空に、その色に照らされた海があった。
私は勢いよく走った。
『橘さん~!待ってよ』と後ろから橋本も来る。
『橋本~!早く~!』
私は橋本に水をかける。
『ちょっと~!』
と橋本も笑いながらかけてくる。
私は靴下をぬぎ、海の中にはいる。少し冷たい。
『橘さん風ひくってば』と橋本は焦る。
『大丈夫!大丈夫!』
