紙ヒコーキ

そんな事思ったって過去にもどる事はできない。

あの暑い暑い夏に戻ることは出来ない。

『また会えるよ』
航大は私の手を握りセミの声が鳴り響いた駅のホームで言った。


でも、また会うときは
今とは違う事をわかっていたのかも。


『ひかり、俺らさやっぱりあん時には戻れない。でも、また友達からやりなおさない?』

航大は真剣な眼差しで言った。あの日の眼差しにそっくりだ。


やっぱり過去に戻ることはできない、今を生きているから。だから今を受け止めて受け入れるべきだ。

『うん。』

私は航大の問いかけに
答えた。

答えは誰かに教えてもらうのではなく自分で見つけるのだと知った。