「不味い」

そう言って
私にスプーンを
投げ当てた。

「ごめん
作り直すね」

私は
スプーンを
拾うと
慌てて立ち上がった。

「いらない
他の女の家にいくから」

そう言って
立ち上がる彼を前に
たたずむだけの私。

本当は引き止めたい。
彼の胸で泣きたい。

でもそんなことしたら
【別れる】

彼とは
それを条件に
付き合い始めた。