「あいてるけど、どして?」


 理有の顔を見ると、目が合った。この子と会話をしている時、ふと顔を見ると大抵目が合うのだがどうしてだろう。


「みゃーこの誕生日夏休み中だったでしょう? 誕生パーティしようよ」


 小指を立てて何か円筒状のものをつかむジェスチャー。カラオケ行こうよ、のサインらしい。


「……理有、この腕時計見覚えない?」


 手首には銀の時計。手を振るようにはらはらと見せてみる。夏休みといえど、理有とは色々遊びに出かけて、その中で誕生プレゼントすらいただいていたわけである。

 すると、私のあげた手に手の平を合わせてきた。その手首にも同じ意匠の時計がひとつ。

 一回り大きくした上に、デザインが少々無骨ではあるが、対となっていることが一目でわかるものだ。理有曰く友達の証だそうな。