沫雨恋愛







「じゃあ俺からはこれ。藤野に」







拓海くんと同じくらい

たくさん景品を手に持っていた一ノ瀬は



その中のひとつを手にとった






「え‥?」






そのままその景品をあたしの手の上に乗せる





「! これ‥!」






一ノ瀬がくれたのは‥







あたしが欲しかったテディベアだった‥・・








「藤野、ずっと狙ってたみたいだったから」





「も‥もらっていいの‥?」






「もちろん!迷惑じゃなければもらって?」






「迷惑だなんてそんな‥!





あ‥ありがとう‥」





「どういたしまして」







そう言って一ノ瀬が笑った瞬間‥











ヒューーー‥ バーーーンッ 











花火が上がる音がして、

暗かった空が一瞬で明るくなった









「お!始まった!」