“ピアノを始めたのはいつからですか?” “3才です” “5年で入賞なんて、すごいですね。そんなにピアノを頑張れるのは、どうして?” “大好きなお父さんやお母さんが、応援してくれるからです。それから――” 「―――ピアノが、好きだから」 無意識のうちに、その言葉を小さく声に出していた。 幼い頃、 まだピアノを始めたばかりの頃の記憶が、一気に蘇える。