恋愛磁石




目的地なんかなくて、
ただボーっと自転車をこいでいたあたし。

なんとなく本屋に立ち寄ってみる。


自動ドアをくぐると、またしても寒いほどの冷気があたしを迎えた。



一冊の音楽雑誌を手にとって見ると、好きなバンドの特集をしていた。


そのページを目指してパラパラと進められるページの中で、
あたしの目に留まった

“神童”

の2文字。



「………天才、少女」



目的としていたバンドの特集も忘れて、その記事に目を通す。