楽譜を椅子の横に置いたあたしは、鍵盤に手を置いて力任せに叩きつけた。 “もういいわ” わんわんと木霊する一つ一つの音。 ジャーン、と 不快な和音が部屋に響く。 「――――なにそれ」 誰も居ない部屋で1人呟いたあたしは、 使っていたグランドピアノを片付けることもせず、冷房も入れたまま部屋を出た。