「……もういいわ。今日はここまでにしましょう」 小さなため息をついて、お母さんは部屋を出て行った。 「――はあ」 同じようにため息をついて、譜面台に置かれた楽譜を手に取った。 パラパラとページをめくる。 黒い音符で埋め尽くされたそれには、赤いペンでぎっしりと書き込みがされている。