恋愛磁石




口に含んだそれは、彼の予告通り
もう“アイスコーヒー”ではなくなっていた。



「・・・ぬるい」


「文句言うな」



あの夜と同じやりとり。


1人胸を弾ませるあたしの手から、裕斗がコーヒーの入った紙パックを取り上げる。



「え、ちょっ・・・」



慌てて取り返そうと伸ばしたあたしの手を交わして、全く気にすることなくそれを口にした彼は「ホットだろ、これ」と言って笑った。