恋愛磁石




「お前、部活は?」



ジャージ姿のあたしを見て、裕斗は首を傾げる。

そんな彼に「見ての通り」と右手を見せると、大袈裟に目を見開いた。



「何それ。どうしたんだよ」


「んー・・ちょっと、ね」



本当にことを言ったら、どうせ馬鹿にされる。

そう思ったあたしは、曖昧に答えて苦笑いすると裕斗の隣に腰を下ろす。



ベンチの後ろに、彼のテニスラケットが
立てかけてあるのが目に入った。