「―――あっ」 その視線の先。 鉄棒の横にあるベンチに横になっている人物に気付いたあたしは、思わず小さく声を漏らす。 裕斗だ。 「なにしてんのよ……」 声をかけるでもなく、1人ポツンと呟いたあたしはスタスタとそのベンチへ歩み寄った。 ジャージにTシャツと言う姿で、方膝を立てたまま横になっている。 顔の上に腕を乗せているから、表情は見えない。 あたしにも気付いてないみたいだから ―――・・寝てる?