恋愛磁石




「――あっつ」



いつの間にか、20分は歩いてきたようだ。


顔を上げたあたしは、額から流れ落ちる汗を拭ってギラギラと照りつける太陽を睨みつける。


こんな大きな通りよりも住宅が立ち並ぶ中道のほうが日陰も多いだろうと考えたあたしは、
いつもの道よりも2本手前の坂道を降りて中道に入った。



さっきよりも少し涼しく感じる風を受けて、ブラブラと歩く。