「何してんだよ。こんな時間に」 そうさっきと同じ質問を口にした裕斗は、近くにあったベンチに腰を下ろす。 「……なんとなく、家に居たくなかった」 あたしの答えに「へぇ」と目を細める彼から視線をそらして、 足元にあった石を蹴飛ばす。 「あんたこそ、何してんの」 裕斗の家は、ココからだと駅よりも遠くにある。 こんな時間に、こんな場所にいるなんて、それこそおかしい。