「ビックリするじゃん!」 「お前が勝手にビビッたんだろ」 そう言ってニヤッと笑うソイツの言葉に、反撃する言葉を探す。 ……確かに、今のはあたしが勝手に驚いたんだけど。 「怒んなってー」 黙ったまま口を尖らせるあたしの肩に手を置いて 「ミライ」と間違った名前を口にする。 「ミキだってば」 もうお約束となった、このやりとり。 そんな短い会話にすら胸が熱くなるのを、秘かに感じる。