――ココにくるのは、何年ぶりだろう。 保育園くらいのときだったかな・・・ お父さんは仕事が休みになると、あたしを必ずココに連れてきて逆上がりを教えてくれた。 あの頃は… お父さんが大好きだった。 「・・・こんなに低かったっけ」 昔は大きく見えた遊具が、今ではとても小さく見える。 あたしはその鉄棒に腰掛けて夜空を仰いだ。 さっきまで雲に隠れていたはずの月が、いつのまにか姿を現していた。 「こんな時間に何してんの?」