―――会いたくない。 その言葉だけが、頭の中をグルグルを回る。 階段を上りながら、鉢合わせしないようにと必死で願った。 緊張からか、鼓動が少し早くなる。 2階にたどりつき、さっきと同じレッスン室にまだ明かりがついていることを確認したあたしは、足早に3階の自分の部屋へと向かった。 _ バタン _ 勢いよく閉めたドアの向こうから、楽しそうに笑う美沙とお父さんの声が聞こえた。