恋愛磁石




「なんでもない。気にしないで。
田中さん、裕斗のこと好きなの?」


「や、あのっ、そうじゃなくてっ…」



上手く誤魔化せた、なんて気はしない。
けど、あたしの言葉に顔を真っ赤にして首を振る田中さん。



………そんなに否定しなくても、バレバレだよ。



「あ、あのっ、田崎君、先輩たちが気に入ってるみたいだから…」


「あんまり仲良くしてると、藤堂さん、目ぇつけられちゃうかも…」



それだけ言うと、2人は慌てた様子で走って行ってしまった。