――――…… 「――あのっ」 その放課後。 少し緊張したような声と、目の前に人が立った気配を感じて、あたしは顔を上げた。 そこに立っていたのは、2人の女の子。 “Ⅰ”という校章からして同じ1年生らしいが、 顔に見覚えが無いということは、同じクラスではなさそうだ。 入学して1ヶ月。 高校から一緒になった子の顔や名前なんて、 クラスメイトを覚えることで精一杯。