「これ、学校で返すわ」 そう言ってあたしの折り畳み傘を弄ぶ裕斗。 「ちゃんと学校来るの?」 「行くって」 「ホントに?」 疑いの目を向けるあたしに「ホント」と言って笑った彼は、そのまま傘を開いた。 「んじゃ、またな。ミライ」 それだけ言って遠くなっていく彼の背中と青い傘。