「しょうがねえ、濡れて帰るかっ」 「はあ?裕斗の家、めっちゃ遠いじゃん」 「大丈夫。俺、雨避けれっから」 「バカっ」 「だって、これ絶対止まないっしょ」 あたしたちは顔を見合わせてため息をつく。 「――じゃ、ちょっと待ってて。3分!!」 あたしはそう言って立ち上がると、走って家へと向かった。