恋愛磁石




外に出た瞬間、じりじりと照りつける太陽。



「――ま、乗れよ」



そう言った裕斗が手を掛けているのは、あたしの自転車。



「意味分かんないんですけど。それ、あたしの」


「とりあえず気にすんな」



まるで自分の物のようにそれにまたがる彼。

反論しようと口を開きかけたけど、
「いいから」と促されたあたしは仕方なく自転車のステップに足をかけ、裕斗の肩にて手を置いた。