「ミライ」 そう呼ばれて裕斗のほうを見ると、彼はニヤッと笑って目線だけをあたしに向ける。 「ちょっと付き合って」 「は?何に」 彼はあたしの質問には答えずに、 あたしが手に持っていたファッション誌を強引に棚に戻すと、そのまま店の外に出て行った。 「……意味わかんない」 ため息混じりに呟いたあたしは、少し早足でその後を追う。