ワガママな弟




そう言って立ち上がった廉。


「あれ?

廉また背ぇ伸びた??」


「んあぁ、成長期なんだよ。
しょうがねぇだろ。」


いや、別に悪いとは言ってないし。



「だって、どんどん廉は
あたしを追い越していっちゃうんでしょ?

何か廉が弟じゃなくなっちゃう気がしてさぁ。」


廉は本当の弟じゃないけど
あたしにとっては
本当の弟みたいなもんなのに。


名前も呼び捨てだし


あたしをこき使うし


廉は学年は1つしか違わないけど
あたしよりも頭いいし


運動だって何でもできちゃうし


「何か最近かっこよくなっちゃうしさ…」


「は?」


えッ?


あたし今声にだしちゃった?


しかもカッコいいって…。