なんど刃物を自分の 手首に持っていったか わからない。 それでも、私には 自分の手首を切る ことはできなかった。 切ろうとした時、 いつも頭に浮かぶのは 剣道のことだった。 ―もし死んでしまったら、 一生剣道はできない― その思いが私を生かして くれた。