季節が変わっても・・・
髪の抜ける量が
全く減らなかったから
病院に行った。
小さい頃から
お世話になってる病院だ。
「綾香ちゃん。」
私の名前が呼ばれた。
いつもならすぐ手前の部屋に入る。
でも今日は違った。
「奥の部屋に『皮膚科』って書いてある部屋があるからそこに入ってね。」
『皮膚科』?
『皮膚科』って何??
その当時の私は、皮膚科という科があることを知らなかった。
「初めまして。綾香ちゃん。」
いつもの先生じゃなかったから
ちょっと緊張していた。
「そこに座ってね。お母さんはそのイスに座ってください。」
「ちょっと質問するね。10円ハゲができたりしなかったかな?」
10円ハゲ!?
あの時の・・・
「ありました・・・。右上に・・・。」
この時の私の髪はまだ少しあった。
でも、頭の地肌が見えるくらいなくなっていた。
この時期から鏡を見るのが
嫌になっていました。
自分が醜くみえて・・・
現実を受け入れられない
自分がいました

