「風よ吹け~!」

右手で魔法使いのまねをして

きみは思い切り笑った

桜の花に囲まれて

きみは踊るように走った

スカートのすそから

すらりとのびた足が

僕の胸をドキドキさせる

「好きだ」

きみのすべてが桜色に見えた

「きみを失ってたまるものか!」

僕は心の中でそう叫びながら

一枚一枚

しっかりと花びらを手の中に

つかまえた

僕たちは

いつまでもいつまでも

桜の花びらを追い続けた