どのくらい経ったか

おぼえていない

僕の腕にしがみついていた

手の力がゆるんだ


「私、小学校5年生まで

この桜のトンネルを通って

学校に行ったの」

そうか

ここはきみの故郷だったんだ

「ねえ、拓哉

病気って“気”が“病む”って

書くでしょ?

気持ちが病気にかかって

しまうんだよね

だから、私ね

いっぱい笑って

あと3年

みんなが幸せを感じるように

生きて行くの

私を支えてくれるみんなに

“ありがとう”を
 
言い続けるの

愚痴も言わない・・

泣き言も言わない

いい子にしていれば

神様が病気を消してくれるような 

気がするの