「拓哉、静かに聞いてね

私、大きな病気にかかっているの

この間、お医者さまが

お父さんに話しているのを

聞いちゃったの

あと3年、生きられるか

どうかって言ってた」

きみは僕の前に近寄り

僕の腕をつかんだ

「がん・・かなあ」

言葉が出てこなかった

「私、お父さんとお母さんの前で

笑っていようって決めたの。

だけど、

拓哉の前では泣いてもいい?」

きみは僕の胸の中に

顔をうずめて泣き出した

僕はたまらない気持ちになった