桜の木の下に入って

見上げると

ほんとうにきれいだった

男の僕でもさすがに

感動した

「ねえ、拓哉・・

私は散る桜なの」

一瞬、冷たい空気になった

きみの瞳から

大粒の涙がこぼれ落ちた

「えっ?」

何が何だかわけがわからない

僕はきみの涙を

はじめて見た気がする