キミは桜色


僕たちは桜の花びらの入った

白い小箱を持って

あの日の場所に

もういちど行ってみた

「ねえ、拓哉、このあたりだっけ?」

あの日を想いながら

桜の木の下に

白い小箱を

ふたりでしっかりと埋めた

「ちゃんとお礼を言わなくちゃね」

「桜の木さん、ありがとう」

君はやさしく細い手で

桜の木を何度も何度もなでた