その帰り。




あたしたちは少し寄り道したんだよね。



思えばあれがすべての始まりだったのかな。





湾岸を走ってたんだけど、



海が見える橋の上で急に。



車止めて。橋にゆっくり歩いて行って。




涼ちゃんは手すりにもたれながら、


夜の海を眺めながら、


タバコを吸った。



その横であたしも手すりにもたれながら、


海を眺めた。



「俺達さ…」


あたしは返事をする代わりに、涼ちゃんの顔を見た。








「もっと早く出会ってたら…幸せになってたかもね」









あたしの心臓がジャンプしたよ。



なに…それ…


「どして?」



「わかるから」



「なにが?」



「俺は幸せにする自信あるから」







幸せにするって…


…あたしを…?