「本好きなんだね。よく図書室いくの?」

 あの後、からかわれ続ける東島くんが可哀想に思ったので助け船をだす。

「…」

「よくも何も毎日行ってるよ〜」

 未だに窓の外をみたままの東島くんに代わって三鷹くんが答えてくれる。

もしかして、嫌われてるのかな。

そう思うとどこからかチクリとした痛みが生まれた。

「…」

 下を向いてしまった私を東島くんが見ていたなんて知らなかった。
私はただ、先ほど生まれた痛みに心の中で首を傾げていた。