「で、今日のケンカの理由は?」 彰くんが翔太の机の上に、よっと座る。 「別にケンカしたわけじゃ……」 「でも翔太は怒ったんだろ」 「……」 ……やっぱケンカなのかな。 純歌の口からため息がもれる。 「……好きな人いるって言ったから笑っただけ」 聞こえるか聞こえないか位の大きさで呟いた。 彰くんから目をそらし、机に視線を落とす。 やれやれっといったふうに彰くんが息をついた。 「そりゃ、翔太には禁句だ」