するりと彼の横を抜ける。 「それに……」 翔太くんの後を追うように、 玄関の扉に手をかける。 「もう少しだけ、翔太くんのこと好きって感情はしまっておきたいから」 冷たい風が吹き抜ける。 追いかけるのは止めるけど、 もう少し翔太くんたちの恋愛を見届けよう。 私は玄関の扉を開けた。 強く、強く。