吸い込まれそうな大きな瞳に、言葉が詰まる。
「あ……いや、
特に用はない。起こして悪い」
「別にいいよ。暇だから寝てただけし」
んーっと伸びをした少女が言った。
「部活少年の矢部くんがこんな朝早くいるなんて珍しいね」
「今日朝練ないからな」
その言葉を聞いた瞬間、彼女の動きが停止した気がした。
切ないような、
怒りたいような、複雑な表情。
「そうなんだ」
偽物のような笑顔をした。
始めてみた。
上加茂星羅の笑顔。
嘘っぽいけど、
こんなにも柔らかく笑うんだ、こいつ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…