誰もいないと思って入った教室。



ん?



教室の中心にある黒い影。



机に伏せていて顔は見えない。



だれだ?

こんな朝早く。



その影の横を通り、席に座った。



……なんとなく居づらい。



ってか、あいつ誰だ?



いまいちあの席に誰がいたのか思い出せない。



んー……。



ピンッと閃いた。



そうだ、

確か……、


「……上加茂星羅」



「なに?」



目の前の黒い影が起き上がり、
こちらを向いた。



真っ黒なストレートな長い髪に囲まれた整った顔が真っ直ぐ向く。