「はぁ、
俺って一途」



部活の帰り道、思わずおもっていたことが口からもれた。



「なに乙女チックなこといってんだよ」



隣で彰が聞き返す。



「だってよ、報われない恋を4年片想いだぜ。
これを一途と言わず何と呼ぶ」



「じゃあさっさと気持ち伝えればいいだろ」



彰は愛想笑いのように薄く笑う。



……分かってないのか。


お前のせいで言えないんだっつーの。



俺は転がる小石を蹴飛ばした。



石は蹴ったと思った方には行かず、
大分逸れた横道に入り見えなくなった。