「えー、ゴホンッ。小泉さん、なにか問題でも?」
授業をしていた英語の教師が眉をヒクつかせる。
「いいえ、失礼しました」
純歌がストンッと椅子に腰を下ろす。
俺は面白くて隣で笑いを堪える。
すると、純歌が俺を睨み付け、
さっきの紙を丸めて俺の頭に投げつけた。
「いてっ」
「翔太のせいだからね」
「自分の失敗を人のせいにすんなよ」
「うっさい」
純歌はそのまま拗ねて外を向いてしまった。
こんなに単純なお前が可愛くてどうしようもない。
純歌が欲しい。
好きな奴の幸せを願えず、自分の気持ちを優先させるなんて、
最低だよな。俺。

